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在学生、卒業生、保護者の声
なにもなかった、ぜんぶあった。
島田 菜々子 さん
- ●2021年度卒業
- ●お茶の水女子大学文教育学部グローバル文化学環(都内にある小さな大学です。この学環では、さまざまな国や地域を理解した上で、異なる人々と交流したり、協働していくことを模索したりします。)
すべては父の転勤が決定したところから始まった。生活環境の急変ぶりに呆然としながら入学し、いつのまにか高校生活は始まっていた。しかし次第に不安な気持ちはどこかに消え去り、学園の特徴として掲げられている通りの、楽しくて盛りだくさんな1年を過ごした。
卒業した今となっては、例のパンデミック以前の学校生活は、帝京ロンドン学園全体の魅力で言えば氷山の一角に過ぎないという気がしている。私にとっての在学中1番の収穫は、学校生活が一変してから得たものだ。学校に行けなくなり、私は暇になった。ちょうど進路について視野に入れ始めた時期でもあったので、それも含めていろいろなことを考えた。そして思ったことを思ったまま口にすると、それを聞いてくれる人が何人もいた。そうこうしているうちに、私は自分がのんびり屋だったことを思い出し、「無理やりがんばって急ぐ」のをやめてみた。自分のペースで前進しても、たとえそれが世間一般から見たら遅かったとしても、急かされなかった。そのことが最高に心地よかったし、安心していられたし、待っていてくれることが嬉しかった。
結果として高校生活の半分以上は入学当初の予定とは異なるものとなってしまったが、それに対する残念な気持ちを上回る優しさで温められた高校生活だった。ロックダウンによってカレンダーがまっしろになった経験と、人のあたたかさを感じながら日常の幸せを噛み締めた日々には、卒業後の私を形作る要素がすべてつまっていた。
※インタビュー及びプロフィールは、取材をした当時の内容です。
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