Ko2の永井梨花さんが第31回伊藤園お~いお茶新俳句大賞で佳作に入賞しました。
「寒夜明け 急斜面坂 トルストイ」
Q.佳作に選ばれた今の気持ちはどう?
くやしい~!!もっと上に行きたかった!
Q.どういう経緯で応募したの?
国語の授業で、みんなで応募しようということになって。
Q.この句を詠んだ時は、どんな気持ちだった?
丁度この頃、これからの進路に悩んでいた時期で、自分の目の前の試練を、寒さが厳しい夜に例えて、そこに打ち勝つというイメージで「寒夜明け」という言葉を使いました。
悩んでいた時に、たまたまトルストイの言葉を知って、それが、自分がそもそもやりたいことは何なのかを見直すきっかけにもなって、この言葉を知ったことで、自分の中で一気に答えが出たような気がして。
なかなか乗り越えることが難しいと思ったものでも、案外、自分の立場や思想、価値観が一気に変わることもあるのだな、と思って、それを「急斜面坂」という言葉で表して、自分のそのときの気持ちを俳句にしました。
色々言葉は思い浮かんだけど、先生にもアドバイスをもらいながら完成させました。
Q.元々、書いたり読んだり、言葉に関わることは好き?
そうでもないけれど、国語の授業でそういう機会が多いので、その時に取り組むという感じです。
Q.今熱中していることはある?
ギター!通学生のお家に遊びに行った時に、ギターを初めて弾いて、楽しいなと思いました。ロックダウン中に本格的に始めたいなと思って、そのことを先生に話したら、ちょうどスタッフの人から寄付してもらったギターがあるから使ったらと言ってもらって、学園に戻ってきてから始めたんですけど。1曲弾けるようになったけれど、次の曲の練習をしている時には行き詰ることも結構あって、そんな時には弾ける曲をひいて、モチベーションを保っています。
Q.この学園に来て、ここでの生活が、梨花にとってはどんな意味があると思う?
まだまだかもしれないけれど、それでも視野が広がったと思います。今はロンドンに出かけたりできないけれど、ロンドンに行くと、色々な人たちと出会えたりして、例えば、自分と同じ世代の人たちが動物保護や環境保護のデモを行なっていたり、色々なことを考えさせられるし、自分の悩みがすごく小さいことに思えてきます。
授業でもイギリスのことを取り上げられることも多くて、そういう世界が身近にあるから、日本にいては経験できない、見られない色々なことを知って、自分の世界が広がっていると思います。
Q.あと1年半、この学園でどんな生活を送っていきたい?
もともと学園を選んだ理由が、苦手だった英語の力を伸ばしたいということだったので、周りの友達たちはもっとよくできたりするけれど、自分ももう少しがんばっていきたいなと思っています。
担当国語科教員より
国語科の授業では、社会に開かれた学びであることを常に保証しながら、思考することを基底にして、日本語4技能運用能力を高めることで、読解力向上につながる人間的な成熟をめざしています。
今回の新俳句大賞には、1・2年生38名で団体応募をしました。これまでの創作活動にはなかった、短い言葉で思いをまとめるという学習でしたが、みんながそれぞれの着想にしたがい、すてきな俳句を創作してくれました。永井さんが見事入選することになりましたが、みんなで取り組んだからこその成果だと思っています。
永井さんは、ふだんから柔軟で豊かな発想力を発揮してくれる生徒の一人で、読書家でもあります。創作中も、一つ一つの言葉にこだわり、何度も試行錯誤を重ねて言葉選びをしていた姿が印象的でした。きっとこの過程が佳作という賞に値したのでしょう。
今年も団体応募にチャレンジしようと思っているので、生徒のみんなの、ユニークで工夫を凝らした創作活動に期待しています。(国語科:初田弘毅)
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