生徒レポート

マネージメント分野では、月に1回レポートを書かせています。その月で気になった講師の方のお仕事や、講師の方のお話を聞いて感じたこと、または日本サッカーとそのお話を照らし合わせてなど、テーマを自分で決めてレポートを書きます。

先月提出されたレポートの中で、3年生の生徒のレポートがよく書けていたので、内容をそのままコピーしてこちらに掲載したいと思います。

末弘

 

 

『育成機関の在り方から考える日本サッカーの競技力向上の術』

 

私はQPR(クイーンズ・パーク・レンジャーズ)アカデミーダイレクター補佐、Oseの話を伺った。彼の話を聞き英国のアカデミーのあり方、また指導者のあり方を知ることができた。私はそれらを踏まえて、英国サッカーと日本サッカーを比較した場合、アカデミーの環境と指導者における違いが存在することに気付いた。そして私は日本サッカーの選手育成環境に英国サッカーの育成機関の良さを組み合わせることで、日本サッカーの競技力向上に繋がると感じた。

アカデミーダイレクターとは育成組織の指導面、経営面などの全ての面において、アカデミーを組織させるために、育成機関の全ての部門を統括する役職だ。つまり育成機関を機能させるにあたり、必要不可欠な役職だ。

彼は育成機関を機能させる上で大切なことを述べていた。その中で私は特に重要なことが2つ存在すると思った。一つ目は指導方法である。なぜなら、各々の育成組織のトップチームで活躍でき、またトップレベルのリーグで通用する能力を身に付けさせなくてはならないからだ。二つ目は運営方法である。なぜなら、育成施設の維持費、有能な選手を遠方からスカウトした際に必要になる費用、アウェイで試合が行われる際に必要になる費用などをまかなえる資金を調達しなくてはならないからだ。また英国の育成組織はこれらの育成機関を機能させる大切なことがとても整っていると伺った。またUEFAユースリーグという大会が存在する。それは19歳以下の選手で構成された欧州最強アカデミーチームを決めるというものだ。その大会の優勝チームが2年連続で英国のチェルシーユースだということからも、英国の育成組織が優れていることが伺える。

私はこれらを踏まえて、英国、日本のサッカーアカデミーの環境を比較してみた。日本の育成組織はジュニア、ジュニアユース、ユースの3段階に分けられている。また23歳以下のチームを保有し、J3に参入しているチームも存在する。また日本クラブユースサッカー選手権や、高円宮杯などの大会も存在することから、日本の選手育成を行う機関の枠組みともいえる環境は整っていると感じた。しかし、指導方法、施設の環境は整っていないと思う。またそれは日本サッカー発展の足かせとなっていると言えるであろう。

指導方法の課題から浮き彫りになることは、サッカーにおいての日本人の身体の弱さと戦術理解力の低さだ。なぜなら、日本だは育成年代において技術的なトレーニングが重宝されている。しかし、戦術の意味、根拠に基づき効果がみられる筋力レーニングがあまり行われない。この課題を解消するためには日本人指導者が経験に基づいた指導だけでなく、戦術理解に長けた指導者、また身体の発育に関する知識を持った指導者が増えなくてはならないと思う。

日本のサッカー育成施設の環境は、英国と比較すると非常に劣っていると思う。なぜなら日本人の大半のサッカー選手が経験する部活動でのサッカーの練習、試合は土グラウンドで行われているからだ。これらを改善するためには日本に人工芝、天然芝を増やし育成年代の選手がプロに近い環境で普段からサッカーに触れる必要性があると思う。しかし施設を良いものにするためには資金が必要になる。よって日本はサッカーに関する運営方法を改善し、サッカーに潤沢な資金を供給できるようにしなければならないと思う。

 

 

これらの日本の短所を補うことで、日本の育成環境が整い、日本サッカーの競技力向上に繋がるであろう。これらはまさにOseが述べていた、『指導方法』、『運営方法』の重要性に深く関連していると思う。実際に日本人の中でUEFAライセンス、FIFAマスター、大学のスポーツ系学部などへの関心が高まりつつある。これらの関心は何十年後かの日本サッカーを支える指導者の在り方に強く反映されるであろう。またスポーツマネジメント系の学問に対する関心などから、Jリーグの経営方法の改善が見受けられるであろう。『欧州の指導方法を取り入れるべき』、『Jリーグに海外企業を参入させて資金を得るべき』など、さまざまな意見が存在する。少なくとも実際に英国でサッカーを目の当たりにして、サッカーに対する関心を深めた私たちには、それらの議論に関心を持ち日本サッカーの発展に寄与する義務が存在すると思う。

 

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