英国だより

第79回目-ロンドンの大学にて-

英国の大学は127校ほどあり、そのうち数校以外はすべて国立になっています。最近、日本人の学生も多くなりました。学園でも毎年数人イギリスの大学に進学します。大学universityの中にカレッジcollegeがあり、それぞれに特徴があります。先日、ロンドンの大学で卒業式に参列しました。学園も3月の卒業式にはガウンと帽子を着用し、最後に中庭で帽子を投げて卒業を祝います。その時の写真が学園のウエブサイトに掲載されています。親子ともに喜びひとしおの瞬間です。

卒業式はロイヤル・アルバートホールRoyal Albert Hallで行われました。1871年3月29日にコンサートホールとしてオープンし、5272人が収容できます。ヴィクトリア女王が亡き夫のために捧げ、建てられました。今ではテニスからプロレス、バレエ等に至るまで幅広く使われています。かなり以前に大相撲を見たことがあります。1941年から夏にはBBCプロムナードコンサートThe Promsが開催されます。かなり以前ですが最終日のコンサートを鑑賞したいために前半の切符を手に入れ、音楽を聞きに行きました。チャールズ皇太子が参加し、国歌を皆で合唱し感動した音楽会になりました。今でも手頃な値段で、有名な方々の音楽を聴くことが出来ます。ホールが開館した時に日本では明治時代を迎え、廃藩置県を実施しました。

インペリアル大学・大学院生のための式でした。大学は1907年に理化学科目を中心に、ロンドン大学の1つのカレッジとして創立されましたが、2007年の100年目に独立をしています。今は通称インペリアル大学Imperial Collegeですが、法的な正式名称はImperial College of Science, Technology and Medicineです。タイムズ紙による今年の大学案内Good University Guide 2016 by The Timesでは、ランキング1位ケンブリッジ大学、2位オックスフォード、次いで3位になっています。また、学生の39.7%は留学生international studentと書いてありました。今回は3500人が卒業しましたので、学部ごとに朝、昼、晩と3回に分けて行われました。我が家は5時から参加し、1200人の卒業生の名前が呼ばれ、壇上で学長と副学長の二人と握手しほぼ2時間かかり終了しました。まさに多国籍の卒業生たちでした。

大学の歴史を調べてみると、日系アメリカ人が登場していました。彼の名前はゲイリー田中氏Gary Tanakaで1943年生まれの方です。インペリアル大学を卒業し、2000年に巨額の寄付に同意して、それは研究主導型のビジネス・スクールに変えるために活用されました。当時、欧州のビジネス・スクールに対して寄付された額としては最大だったようです。タナカ・ビジネス・スクールが開校されますが、5年後の2008年にはインペリアル大学との関連性を十分に表していないとして校名をインペリアル・カレッジ・ビジネス・スクールに変更しています。英国では多額の寄付をすることは珍しいことではありません。以前、学部生として通学していた大学でも、製薬会社で成功した卒業生が多目的施設と寮のある一棟の建物を寄付していました。田中氏の精神に感服するとともに、世界のために貢献し活躍している日本人を知り大変誇りに思いました。これからも彼の思いがここで学ぶ学生だけでなく、世に生かされ続けることを願っています。