英国だより

第75回目-英文学にようこそ-

毎年、有名な人物やある出来事が起こってから、歴史的な節目を迎えるときがあります。今年は特に文学好きにとっては当たり年といわれています。遠い昔の大学時代に英米文学を専攻した私にとって、ちょっと嬉しいことです。当時英語力も十分でなく、言われるままに読んだ作品が今では少し鑑賞できるようになっただけでなく、ロンドンに住んでいるために一層身近かに感じることになったからです。

1月24日ウィンストン・チャーチル没後50年、4月21日にシャーロット・ブロンテ生誕200年、4月23日ウィリアム・シェークスピア没後400年、7月28日ベアトリックス・ポッター生誕150年、ロアルド・ダール生誕100年と続きます。さらに、エリザベス女王90歳のお誕生日が4月21日、公式のパレードは6月11日となっています。盛大なお祝いになることでしょう。

この機会に授業でも扱いますが、少しでもそれぞれの人々の作品や生涯を知ってほしいと思います。ウィンストン・チャーチルは第二次世界大戦のときに首相だっただけでなく、画家でもありノーベル文学賞を受賞した作家でもあります。歴史を学ぶと同時に、彼の人なりを学んでいくと、もっと別の世界観や考え方がみえてくるはずです。国立肖像美術館National Portrait Galleryの一階30号室「Public and Private :Winston Churchill in Photographs」で6月5日まで展示しています。

ブロンテ3姉妹は有名ですが、その中でもシャーロット・ブロンテは作品「ジェーン・エア」が広く読まれ、たびたび映画やドラマにもなっています。ヴィクトリア時代の社会常識を逸脱し、まだ珍しかった自由恋愛の末に結婚にいたるという筋書きで、多くの読者のこころをつかみました。当初、男性の名前で出版しましたが、後に本名を語ることになります。彼女たちが住んだ場所ハワースは、牧師であった父親が赴任をした場所です。以前行ったとき、坂道の多い街で荒涼とした中世の暗い雰囲気が漂っている印象でした。今年はきっと観光客でにぎわうに違いありません。国立肖像美術館National Portrait Galleryの一階24号室に「Celebrating Charlotte Bronte1816-1855」が8月14日まで開催されています。皆様もこれを機会に英文学を味わってみてはいかがでしょうか。