英国だより

第70回目-通勤路A40-

学園はロンドン学園とはいえ、ロンドンの街中にあるわけではありません。ちなみにロンドンはグレイーターロンドンGreater Londonと呼ばれる円形上に、市内のイナー・ロンドンInner Londonとその外側にあるアウター・ロンドンOuter Londonに分けられ、行政区で管轄されています。電話番号により中心地であれば0207を、その外側は0208になります。学園はそれより郊外にあるので、電話番号が01753になっています。学園には通学生がいますので、地下鉄メトロポリタン線の終点アックスブリッジ駅Uxbridgeから学校までスクールバスが運行しています。ほかの行き方としては、パディントン駅Paddingtonから電車でオックスフォードへ行く途中にあるスラウ駅Sloughからタクシー、あるいはマリリボーン駅Maryleboneからバーミンガム行きの途中にあるジェラード・クロスGerrards Cross駅からタクシーを利用しなければいけません。また、ヒースロー空港からタクシーで20分ほど。ともかく便利なところに位置していますので、週末には生徒たちがロンドンまで外出することが出来ます。

牧歌的で緑溢れるのどかな地域に学園はあります。すぐ近くには007やハリーポッターの撮影所であるパインウッドスタジオPinewood Studioや農場、有名人が住む豪邸等があります。一方スラウは庶民的な地域で、飛行場を建設するために渡英したインドやパキスタンの人たちが多く住んでいます。また、週末に女王様が過ごすウインザー城もあります。

ロンドンの街中に住んでいる私は、毎日車で通勤をしています。片道21マイル(34キロ)を場所により時速40(64キロ)、50(80)、70(112)マイルで運転します。行くときは、ラジオFM Classicで音楽を聴きながら当日の学校や英語の授業について考え、帰りは子供が小さい時には夕食の献立を考えながら、徐々に母親になる時間でした。行きは、ロンドンの中心から朝のラッシュアワーと反対に郊外に出るため40分ほどですが、帰りはMagic FMを聞きながら時刻により1時間以上かかります。それこそ渋滞や事故があれば、2時間や4時間かかって帰宅することがあります。

イギリスは基本的に橋や一部の道路を除き、高速料金はありません。日本と同様に左側通行で、田舎の道路以外は車道と歩道の区別が明確ですから、ランドアバウトroundabout(右から来る車を優先する円形になっている交差点)に気を付ければ、運転は容易いものです。最近、この通勤路に大きな変化がありました。「スピード・カメラです。」今まではカメラが設置しているところでスピードを落とし、カメラが光ると後日手紙が来て違反したことがわかりました。あるいは光るだけで、実際には作動していないカメラもありました。しかし、一部の道路で昨年末から新システムが導入され、その告知をしていました。平均速度カメラaverage-speed cameraが、数か所に設置され、ある区間の車の平均速度が計算されるようになりました。スピード違反をすると100ポンドの罰金とマイナスポイントが1回につき3点つきますので、4回違反すると運転禁止になるので細心の注意が必要です。

1月22日の新聞イブニング・スタンダードの一面に「警察はスピードカメラで1か月に10万ポンド(1800万円)を荒稼ぎ」SPEED TRAP NETS£100.000 A MONTHの記事が掲載されました。私が利用する道路A40は、11マイルの間にカメラが32か所設置されています。つまりそれだけ通行量が多く、事故がきわめて多い道路です。それにしてもドライバーから簡単に現金を搾取するために、食い物にしているcash cowと批判をされていました。しかし、現実に事故や死亡率が減少しているのですから、批判があったとしても安全を優先するのであれば当然です。今後は新システムへの変更通知を徹底させ、導入地域をさらに拡大していくと担当者のコメントがありました。行き帰りともに緊張した運転時間になってきました。周囲にあまり車が走っていない時間だったりすると、気づかないうちにスピードが出て、思わずブレーキを踏んでヒヤッとする時があります。ロンドン近郊で運転をするときには、市内を通行するときに支払うコンジュスチョン・チャージcongestion charge(7時から18時まで、月曜日から金曜日までの特別通行料金11.50ポンド)もありますので、事故がないようにくれぐれも注意して運転することが肝心です。