英国だより

第69回目-砂糖税Sugar Tax-

いつまでも健康で過ごしたいと思うのは世の常です。英語のことわざにもあるように健康は富より勝り、Health is better than wealth. 健康な心は健康な体に宿るA sound mind in a  sound body.と言われます。新年早々からテレビで、子供たちが砂糖を摂取しすぎているので、減らして健康な生活をするように訴える広告が放映されています。昨朝のBBC ニュースでも話題になっていました。これは、砂糖が多く入っている嗜好品や飲み物sugary food and drinksに税をかけようと訴えている動きがあるからです。英国はすべてのものに消費税20%がかかっているわけではありません。贅沢品と思われる物は当然ですが、生活する上で必要とされる食品や必需品には税金が課せられません。その分類はややこしく一言で説明することは出来ません。

この話題が論議される理由は、英国がかかえる「肥満obesity」の問題にあります。ジェイミー・オリバーJamie Oliverは料理家で、健康的な食事をするように訴えている活動家でもあります。現状を打破するために、実際に学校へ出かけ栄養のバランスを考えて食事を作り、改善しようと実践していますが、その利用率は40%止まりだそうです。分かっていても、一長一短に食習慣を変えることがいかに難しいかを語っています。最初、ロンドンに来たときに驚いたことのひとつは、食事の不味さだったかもしれません。最近はもちろん進化していますので、場所を選べば美味しい食事がいただけます。

学園は看護師がおり、日本人のシェフもいますので、生徒たちの要望を聞きながら、家庭科の教諭とも相談して健康管理を行っています。平成25年には日本人の伝統的な食文化である和食が、無形文化遺産としてユネスコに登録されています。これはまさに誇りであり、健康的な日本食を大切に楽しみたいものです。

政府を悩ませているこの問題は、医療費無料の英国では、その費用負担が年間9500億円にも上り、特に貧困家庭の子供が小学校卒業までに4分の1が肥満と診断されています。それは富裕層の2倍だという報告があり、昨年12月15日発行のニューズ・ウィークに「砂糖飲料税で子供を肥満から守れ!」に掲載されました。しかし、猛反対をしているのが飲料業界です。昨年の10月に出たデイリー・メールの記事でも、オリバー氏の提案にキャメロン首相は反対をしてCameron says no to sugar tax. 明確な根拠がないと一喝しています。実は業界からの圧力であろうと分析をしていました。 … the report was buried because of pressure exerted by the powerful food and drinks lobby.

砂糖税が導入されるのかはまだ不明ですが、この問題を解決するには幼いときから食の大切さを学び、人々を啓蒙していくしかありません。日本の学校である学園は毎年4月に健康診断を行い、生徒たちの健康管理をしています。さらに、家庭科では「食生活」の章で教科として学習するだけでなく、調理実習を通して食事を考えます。また、保健体育科では「健康の増進と病気の予防」の章でも健康の大切さを学びます。現地校に通学した息子は健康診断もなく、気がつけば目が悪くなっていました。また、男子校のために料理や裁縫等をしませんでしたので、日本の学校で体験入学をしたときに貴重な体験をすることが出来ました。イギリスでは医療が無料ですが、日本のような予防としての健康診断がないのは残念です。いづれにしても、どこにいても食についてはきちんと考え、健康でありたいものです。