英国だより

第66回目-読書の秋-

サマータイムも終わり、一気に暗い中で過ごす時間が長くなりました。生活時間は一緒なのに、やはり気持ちは天気によって左右されます。暗くて太陽さえ見ない日々が続けば、好きな音楽を聞いて読書をするのは至福の時でもあります。

生徒たちにはゲームで息抜きもいいけれど、というよりゲームやパソコンに向うより「読書」と言いたいです。自分の体験や考えなどちっぽけなものだから、視野を広げるためには読書が一番。息子が小さい時、作文が上手になるにはそれしかないと言い続けました。今でも本を紹介しますが、趣味が違いすぎてなんだか上の空。生徒たちにも同様に、感動したり話題に上がったりした本を紹介すると、幾人かは読んでくれます。今や電子書籍があるので、重い本を持参しなくてもどこでも読める時代になりました。それでも、やはり印刷物にした本を手に取って読書をしたいのは、そろそろ回顧趣味になるのかもしれません。

日本語の本は早く読めても、今だに英語となればそうはいきません。書店に行きタイトルだけで全く知らない本を手にして読む勇気は、なかなかありません。歴史を教えているので、その背景や人物のことなどを知ることが出来る本は、興味深いものです。最近、4センチの厚さもある14世紀のプランタジネット朝を中心に、ヘンリー8世までの状況が描かれたThe King’s Curse by Philippa Gregoryを読みましたが、ちょっと時間がかかりました。偶然にもこの中で、登場する舞台ビッシャム・マナーBisham Manorはサッカーコースの生徒たちが毎週練習に出かけるスポーツセンターです。本の最後にある補足で以下のように説明があります。It is one of the five national sports centres and many international athletes train there.(国が運営する5つのスポーツセンターのひとつで、運動選手の育成を行っている)13世紀半ばに建設され、歴代の王や女王様に利用されました。そのときの建物は講義室として利用するだけでなく、宴会場としても使われます。さらに、新しい建物ではオリンピック選手を育成しています。 

先日、「He named me Malala」マララの映画を鑑賞しました。かなり前に本I am Malalaを読みましたので、どのように映画化されるのか興味がありました。彼女の生い立ちを家族のインタビューを通して、アニメーションで紹介しながら、英国で治療を受けた前後の彼女の活動などドキュメンタリーに仕上げていました。なんといっても父親のセリフ“I love education. I love to be a teacher.”私は教育と先生が好きだ。は印象に残りました。境遇が違うとはいえ、私もこの気持ちを最後まで持ち続けたいと思います。また、彼女が映画の最後に言ったせりふ“I choose my life.”も心に響きます。父親が彼女に名づけた伝説の少女ではなく、困難を乗り越えて「自らが選択した人生を送ります。」と語る姿は、本当に美しく逞しさを感じました。生徒たちもこのように言える人生を送ってほしいと願っています。