英国だより

第59回目―英雄―

今から200年前の1815年6月18日にベルギーでワーテルローの戦いがありました。生徒たちはこの出来事を世界史と英国史で学びます。時のナポレオン・ボナパルト率いるフランス軍とウエリントン公爵率いる英国軍が戦い、午後にはプロイセン軍が到着したことでナポレオンの敗北が決定的となり1日で終わります。フランス革命前後の歴史はヨーロッパを巻き込み、国家間の関係が大きく変化します。その後、ナポレオンはイギリスに連れて来られたために、民衆たちが見ようと集まったそうですが、船から出てきた彼の姿は威厳に満ちて頭を下げずにはいられなかったとか。その後、彼はセントヘレナ島に流されて、亡くなります。最後まで英語を勉強したという逸話が残っています。

当時、英国ではすでに議会政治が確立をしており、王の権力は象徴となっていました。議会政治発達の始まりはジョン王がサインをしたマグナ・カルタから始まりますが、6月15日には800年祭の記念式典が、学園近くにあるテムズ川そばのラニーミードで女王陛下を招待して行われました。

ベルギーの古戦場では王室や政府関係者のほか、ウエリントン将軍の末裔も出席して記念式典が開かれました。記念のメダルを作成するにあたり、フランスが異議を唱えて、使うことが出来ない2.5ユーロの記念硬貨となりました。ナポレオンは、フランス革命後の混乱から皇帝となり、財政の安定や公教育の制度を確立、契約の自由や法の前の平等など、革命の成果を定着させるナポレオン法典を公布しました。あくまでも彼はフランスにとって英雄なのです。それぞれの国の状況があり、それぞれの国民感情があるといえるのでしょう。来月になると日本は終戦記念日を迎えます。周辺国にとっての感情も決して忘れてはいけないことを思い出させてくれます。

その週の日曜日は父の日でした。歴史に名が残る人物でなくても、父親が自分にとって英雄である人もいるかもしれません。我が家では気を使って息子が食事に寄ってくれました。ヒーローでなくとも、その子の人生にとって好ましい親でありたいものです。