英国だより

第55回目-It is a girl.-

5月3日王室には女の赤ちゃんが誕生しました。朝6時に病院に入り、8時には出産。同日の夜6時には退院をしてケンジントン宮殿に戻りました。なんという速さでしょうか。きっと日本の方はもっと驚くに違いありません。その日の朝は選挙もそっちのけでライブ中継をしていました。私もロンドン大学病院で出産をしましたが、母子ともに問題がなかったので次の日には自宅に戻りました。無料であることもありますが、院内感染や自助努力をする方針にはさすがにびっくりしました。もちろん王室は庶民と違いは混乱を避け、安心して過ごせる宮殿で過ごすことが大切だったようです。

王室には長い歴史があり、常に時代の流れや社会と密接な関係にあります。前回のマグナ・カルタから王と人々との力関係は常に微妙となり、ついにはドイツから来たジョージ1世のときに、「君臨すれども統治せず」の時代に入りました。王室といえども時代の流れを見ながら生きていかなければいけません。王室廃止を声高く出張する人々もいる時代です。1649年にチャールズ1世が処刑され、一度、共和制になりましたが、王制復古したイギリス。すべての打ち消したフランス革命とは違います。現在のウイリアム王子以降から王位を継ぐのは性別に関係なく誕生の順番になっています。そのために今回生まれた女の子は王位4位となりました。ここに男女平等の考えがあります。

出産は4月下旬になるだろうと発表しましたが、5月なり人々が心待ちにしていました。病院は、学園の生徒たちが週末ロンドンへ出かける際に利用するパディントン駅のすぐ隣にあります。特に、ここはペニシリンを発明しノーベル賞を受賞した医師アレキサンダー・フレミングの実験室が保存され、2階くらいの高さに説明した案内板があり有名です。

赤ちゃんにおける英語表現は、Baby, it’s you. Her baby is due next month. It will be a girl. のように代名詞itが使われるので、新聞やニュースの題名を見て気づきます。誕生するとすぐに病院前で発表があり、さらにバッキンガム宮殿の前庭には掲示板が出されました。また、祝砲62発が2時にロンドン塔とハイド・パークで鳴り響きました。同日、女の子はCharlotte  Elizabeth Dianaと名づけられ、まさに夫婦の想い出が詰まった名前になりました。5日には出生届けが提出されました。

世間ではすでに誕生を祝う商戦が始まっています。何にでも利用する商売の上手なところに、かえって頼もしさを感じます。お祝いをしながら、生徒たちには誕生の神秘さと命の大切さを思い、自分の生きるべき姿を考えてほしいものです。