英国だより

第50回目―異文化を超えてー

先日、残念なことにイスラム国で日本人二人が殺害されました。その後、大使館や文科省から安全対策や動向については十分に注意するように通達がありました。早速、生徒たちに現状を説明し、保護者にはメールで連絡をしました。学園はロンドン郊外にあり、危険を感じることもなく通常の生活をしています。しかし、不安な世界になっていることに違いありませんので、知識を蓄え思考力を持ち、異質な文化と向き合いながら、人間関係を構築していく努力が出来るように考えたいものです。

授業の一環として、イスラム寺院を訪問しました。以前から予定をしていましたが、ちょうど後藤さんが殺害された直後になりました。心配する声もありましたが、訪問する前に以下のような文面を受け取りましたので、そのメールを生徒に見せました。There is so much sensational news coverage about a few bad people who spoil the name of our beautiful religion. We want to show how millions of Muslims live as helpful neighbours and good citizens.  In the short time we have, we hope you will appreciate something about Muslim life and culture.(自分たちの美しい宗教を乱す少数の人々について人騒がせなニュースが流れています。何百万人のイスラム教がいかに役に立つ隣人でありよい市民であるかをお見せします。また、短い時間でも、われわれの生活や文化について理解してくれることを願っています。)

訪問したときはちょうど2回目の礼拝となる1時でした。10分ほど礼拝している姿を目の前で見せてくれました。本来ならば女子は別室になるのですが、スカートを着用しスカーフもかぶらずに参加することを許可してくれました。この寺院はほかに比べて規則に対してはかなり緩やかだったようです。

礼拝後に、別室で礼拝の意義や教義について話をしてくれました。1時間ほどでしたが、担当の方が丁寧に説明をしてくれました。最後に、寺院の責任者から「これからジャーナリズムを専攻する生徒がいるのなら、自分たちの宗教は今世間を騒がせている宗教とは違うことを日本に伝えてほしい」と言われました。アラビア語で各自の名前を書いた色紙を記念にもらいました。中には自分の名前がアラビア語にあり、喜んでいた女子生徒がいました。皆は兄弟・姉妹だからという心温まる言葉をいただいて帰校しました。

今後、日本も寺院や信者が確実に増えていきます。生徒たちがいかに共生していくのかを考え、実行していく良い機会になってほしいと切に願っています。