英国だより

第47回目-多様性への適応–

世の中はグローバルな社会にどのように応じていくかが課題になっています。世界においてどのように行動をしていくのかが問われるようになりました。教育もそれと同様に対応が求められています。現在、ロンドンといえども純粋にイギリス人といえる人々がどのくらい居住しているかと言えば、50%に満たないという統計があります。もちろんイギリス人をどのように規定するのかによりますが、アングロ・サクソン人まで遡ればもっと少ないかもしれません。そうなると一時期にアメリカは人種のるつぼと言っていましたが、もうイギリスも決して例外ではありません。今やEUのおかげで人々の行き来が自由になり、英語が出来ればどこでも働ける状況にあります。美術館であれ、レストランやお店であれ、街に出かけると明らかにイギリス人でない人々が多く働いています。そのために、自由を謳いながらEU以外の国からの労働ビザを厳しく規制するといった事態になっています。学園も教員を採用する場合には、難しくなりどの教科であれ英語力なしには働くことが出来なくなりました。

ロンドン学園は日本人学校とはいえ、職員は現地の人々です。毎週ある校内の会議は、もちろん言葉は英語になり人種もさまざまです。議論になると、それぞれの立場だけでなく個性が出てきます。人種なのか、国民性なのか、成育歴なのか、実に様々です。最適だと思っていることが、決してそうでないときに、問題の処理に時間がかかり大変です。しかし、反面面白さも感じます。解決するには英語力もありますが、それこそ異文化理解や受容力、多様性に適応することが求められます。日本ならば、すぐに解決や改善をしてもらえそうな問題でも思ったようには進みません。さて、そのときにどのように対応をしていくかが課題ですので、発想の転換だけでなく、解決力が必要です。私自身ももっと力をつけたいと常に思っています。先日、海外子女教育10月号で、奈良教育大学の准教授・渋谷真樹さんが「文化を移動して育つことはメリットやデメリットでなく豊かさをもたらす」と書いていました。生徒たちにはその豊かさを味わいながら、コミュニケーション能力と解決力をつけてほしいと願っています。

今年もお読みいただきありがとうございました。毎月20日発行の学園通信に併せて書くことに決めていましたが、その時々に出来事があれば、それこそ気ままに書くことにしました。これからもイギリスからあるいは学園から発信していくつもりです。今後とも何卒よろしくお願い致します。どうぞ良いお年をお迎えください。