英国だより

第40回目―ケンブリッジからー

今年、日本では教員が担任であるのに入学式に欠席をしたので話題になっていました。イギリスも3学期制とはいえ、日本のような行事がなく学期も多少ずれていましたので、我が子に関してあまり休暇をいただくようなこともありませんでした。先日、興味ある記事を見つけました。5月27日のニューズウィークの記事は「教師は自分の子供の入学式を優先すべきだ」でした。内容は、職務は家族より大事というのが行政の公的立場なら、子供を持つ親が増えるわけがないというものです。日本社会の職業に対する自己犠牲や勤勉さ、献身には畏敬の念を抱いても、理解出来ないというものです。この記事はイギリス人が書き、フランス人の友人の意見もありました。なるほどと思いながら、やはり仕事を優先するかもしれないと思いました。

さて、そう言いつつも先日休暇をもらい大学の卒業式に参列しました。日本の大学とは違い興味深いものでした。大学の入学に関してはバックナンバーをご覧下さい。ケンブリッジ大学は31コレッジがありますが、大学が一斉に行うのではなく、創立順に各コレッで実施します。クライストChrist’sは500年以上の歴史があるので、木曜日の4時からセネット・ハウスで行われました。この大学で一番有名な卒業生はなんといっても進化論を唱えたチャールズ・ダーウィンです。大学構内にある中庭には、彼の銅像とともにガラパゴス島から持参した植物が植えられています。

卒業式の日は、午前中に4校と午後に3校行われましたが、クライストは最後でしたのでゆっくりと過ごすことが出来ました。式典というほどのことはなく、ガウンをまとった学生一人一人が副学長代理の前にひざまずいて両手を合わせます。するとその両手を挟んでラテン語で卒業したことを述べます。会場の出口で証書が渡されました。それには学士終了が記載してあるだけで、後日に専攻と成績が記載されたものが送られます。会場の外では成績が掲示してありました。それが次の進学や就職に繋がっていきます。120人ほどの学生が参加し40分程度で終了しました。歴史があるだけに宗教色が漂う式でもありました。その後、コレッジに戻り、立食パーティがありましたが、次の日の昼までには退寮しなければいけませんでしたので、余韻を味わうこともなく荷造りの時間になりました。こうしてあっという間の3年間の大学生活が終わりましたが、子供と同様に親としても本当に嬉しいひと時でした。

学園では3月に卒業式を行いますが、昨年から式にガウンと帽子を着用することにしました。生徒たちにとって一層想い出深い学園生活の終わりになるようです。夏には早くも推薦入試が始まりますので、卒業するまであとひとつもふたつも踏ん張る日々が続きます。