英国だより

第28回目―英国の大学へー

学園が創立された1990年代当初には、当学園からイギリスの大学に進学する生徒たちもいました。その後、日本では海外の大学を卒業すると個性と自己主張が強くなりすぎると言われ、日本の会社ではあまり良い評価をもらえなかったようですが、本当はどうだったのでしょうか。最近では海外に出ることをためらっている若者が多いとの報告もあり、このような傾向を危惧する政府の意向も後押しとなり、英語力と国際性を身につけるための留学が奨励されているようです。学園もサッカーコースや普通科コースの一部の生徒が、スポーツ・マネージメントや経済などを専攻するためにイギリスの大学への進学を考えています。世界を相手にすることがより求められている時代といってよいかもしれません。

ここでイギリスの大学について、簡単に説明をしましょう。16歳の義務教育終了試験(GCSE)が終われば、そこから2年間大学予備コース(6th Form)になります。GCSEで受験した10教科ほどから3教科に絞って、2年後の大学入試に備えます。普通、大学は3年間で終了しますので、6th Formで選択した教科を2年間深く学び、大学ですぐ専門コースに進むシステムになっています。アメリカの大学のように一般教養という考えはありません。6th Formの1年目(Lower 6th)にAS Level試験があり、2年目(Upper 6th)にA Level試験があります。Upper 6th の始めにおよそ120校の国立大学の中からUCAS(Universities and Colleges Admission Service)を通して5つの大学に登録します。その後各大学から、合格する為の、A Level試験の条件が示されます。例えば、3科目の評価が、A、A、B以上(Aは80%以上。Bは70%以上)であることのように。A Level試験は、8月半ば(今年は8月15日)に発表されますが、結果が、希望大学の条件に満たない場合は、低い条件で受け入れてくれる大学に進まなければなりません。

ケンブリッジ大学とオックスフォード大学は大学の中でも別格で、どちらかの大学しか選択できません。また、必ずインタビューがありA Level試験を受ける前年の暮れか年明けに合否の結果をもらいます。これは、A Level試験での結果の予測とともに、GCSEの結果、ASの試験結果、自己推薦書、先生からの評価書などを総合して合否が決定されます。この時点では、あくまで、仮合格であり、A Levelで受ける3科目の筆記試験で、A、A、A*(90%以上)等の条件を満たさなくてはなりません。日本のように公正・公平な試験を考えるとこの方式はAO推薦入試ではいいかもしれませんが、一般入試での実施はかなり難しく検討の余地が大いにありそうです。

学園のような日本人学校は絶対的に英語力が必要です。さらに内申書で欠席が少なく、全体の評点が高いことが望まれます。自分の専攻したい教科を決めて一人でも多く挑戦をしてほしいと願っています。今頃3年生は、最後の夏休みを大学受験のためにがんばっているに違いありません。