英国だより

第十七回 ーパラリンピックにてー

 8月下旬から始まったパラリンピックはオリンピックとは別の楽しみと意義がありました。始まりはドイツ人のグッドマン医師により、戦争で負傷した兵士たちが社会復帰することを目的にしていました。健康を回復するだけでなく、自尊心を取り戻すためにはスポーツがよい機会であると考え、パラリンピックが始まります。彼が働いていたマンダビル病院は学園から少し北に行ったところにあり、以前、私の友人が入院した時に訪問したことがあります。そのときに、脊髄の治療では世界一だと聞かされ、そのような専門の病院が近くにあることを初めて知りました。建物は平屋になっており、ベッドに寝ていてもすべての施設が利用しやすいようになっていました。その後、友人は無事日本へ帰国をし、ほぼ正常な生活をしています。

 9月6日にはシドニーパラリンピックのバスケットボールで活躍をした根木さんを学園に招待して、パラリンピックの概要、彼自身のお話や技を見せていただきました。生徒たちにとって別世界だったことが、より身近かに感じることが出来たと思います。悩み多き思春期に、「自分の夢に向かって日々努力している人物」からの話は何より大切です。生徒たちとともに力をいただきました。最終日に、生徒たちはマラソンを観戦しに行きました。私はバッキングガム宮殿前で朝8時過ぎから終了するまで、選手の活躍ぶりに時間を忘れて応援をしました。

 今後、パラリンピックはオリンピックと同様により発展していくに違いありません。「障害disabilityでなく能力abilityで競技をしたこと」が成功に繋がった、と主催が言っていましたが、まさにそのとおりです。特に、私が一番印象に残った選手はオリンピックにも出場したOscar Pistorius君でした。街には彼のポスターが貼られ、BBCでは彼の特別番組もありました。生徒たちには彼の記事を読ませ、ビデオも見せました。彼の日々のたゆまぬ努力と情熱が今の彼を作り、感動を与えます。「障害者ではなく、単に脚がないだけだ」と言い切る彼の言葉は、私たちに勇気と元気を与えてくれます。さぁ、今日もがんばろう!