英国だより

第十四回 ― エリザベス女王陛下に乾杯 ―

 英国は6月2から5日まで4連休となりました。ご存じのようにエリザベス女王陛下即位60周年記念式典が行われましたので、学園では月曜日にウインザー城に
お祝い出かけました。1日目のダービーの競馬から始まり、1000隻ほどの華麗な水上パレード、宮殿におけるコンサート。最終日はセントポール寺院での礼拝まで、
実に多彩な行事の日々でした。さらに、16日には公式の誕生日86歳のお祝いをする恒例のTrooping the
Colourの式典がありましたので、王室一色になったと
いっても過言ではありませんでした。連日テレビで実況中継が行われましたので録画して一部生徒に見せたりもしました。
 皇室の在り方については、それぞれ賛否両論があります。新聞でもTimes
やIndependentは好意的なコメントでしたがGuardianは多少皮肉的なコメントになって
いました。もちろん英国人が自国に誇りが持てる瞬間を作り上げたことには間違いありませんが、それでも反対だった人々も現実にいたことに違いありません。そのような
論評が少なかったのは、多くの人々がこの停滞した経済状況の中で何か楽しいことをして家族や友人たちと時間を共有したいと願ったからです。その機会を女王様が
与えてくれたように思いました。歴史的には1066年フランス人の貴族がイギリスの王となり、戴冠式を行って以来続いている王室制度。さらにチャールズ1世を処刑
しながら、再び亡命した2世をフランスから呼び戻し王政復古を果たした歴史があります。歴史の重みと面白さとを感じないではいられません。
 さらに女王の子供たちや孫たちがテレビに出演して女王としてあるいは母として語る番組も放送されていました。26歳にして女王となり英国だけでなく英国連邦を
支えているのは、やはり彼女の義務と責任感さらに意志の強さと愛情、それを支えている殿下がいてこそ今の女王を可能にしているのだと思いました。連日の式典を
意欲的に朝晩こなし、ご高齢の身を押して常に笑顔を振りまいている姿はなんだか神がかりようにも見えましたが、ついお気の毒に感じることもありました。凛と公務を
こなしている姿はまさに尊敬以外の言葉は見つかりません。あのように公務多忙をこなす姿に超人的印象を受けました。ちょっと恐れ多いのですが、同じ一人の女性と
してほんの少しでも見習い、価値ある人生を過ごしたいと思いました。
 いまや人種のるつぼとなったのはアメリカだけでなく、英国も同様です。産業革命をいち早く経験をして、成熟していった社会を見ながら今後の日本を思いつつ、将来を
支える生徒たちと最後まで過ごせればこれほど教師冥利に尽きることはない、とふと思いました。 5月病も過ぎてちょっと大変だった学園も7月には期末試験があり
まもなく夏休みに入ります。