英国だより

第十二回 ―学園に、そしてボートレースで考えたこと―

 先日、新入生を迎えました。数多くある高校の中で学園を選択してくれたことへの嬉しさとともに、責任を大いに感じています。どの高校生よりもこのロンドンで
学ぶことが実り多いことを願ってやみません。
 さて、学校の評判とは何でしょうか。今の日本では何といっても大学への進学率です。学校の中身がたとえ良かったとしても、一般的な評判は進学率。
東大や京大や早慶など。人数の少ない学園にしてみればそれはちょっと難しいことです。それより自分の目標を見つけて、好きな学部へ大学へ進学してほしい
と願っています。昨年も思い思いの大学(帝京を始め広島、法政、立教、東京造形など)へ進学して行きました。今頃きっとロンドンを懐かしく思い、新生活が
始まっていることでしょう。

 先日、久々に卒業生に会いました。朝日新聞の「ひと」の欄に登場したので、当時の校長先生が連絡をしてくれました。彼女は中学生の時から学園に連絡をして、
メールで質問をしていました。入学してから縁あって3年間担任をしましたが、常に自分に目標があり意欲的に学んでいました。旅行があれば熱心にメモを取り、
説明があれば一番前に来るといった様子で、模範生そのものでした。さすがに大学も自分の希望どおり、就職も自分の思いに、そしてまもなく結婚すると言って
いました。なんと彼女が眩しかったことか。さすがに努力が報われている気がしました。自分の夢を追って常に努力することで得られる姿でした。少しでも彼女の
ような生活を送ってくれたらと願いつつ、新入生と対面します。

 4月7日に恒例のオックスッフォード大学とケンブリッジ大学のボートレースが行われました。今年で158回目となり、昨年に引き続きオックスフォードが優勝を
狙うかといった内容で皆も注目をしていました。管理的な訓練によって今年もまた優勝するのではと大学生の間では評判だったようです。2時15分にレースが
始まると、選手たちの総重量で軽いオックスフォードが先に進んでいましたが、途中にエリート大学への抗議のために泳いで来た人物によって突然試合は中断。
調整をした後で、再開をするとオックスフォードがケンブリッジに近づきすぎて、8人のうちの一人のオールが壊れたまま、試合終了となりました。当然、ケンブリッジ
大学が優勝をしましたが、なんとも後味の悪い試合となりました。さらに、選手の一人が救急車で運ばれ式典も取り消しになりました。
 初めての出来ことだそうですが、これを見ながら私は管理職として教員として危機管理について考えさせられました。また、生徒たちにとっても努力しても結果と
して報われない事態が発生することが現実にはありえることを承知しておかなければいけません。突然の事態にどのように対処するか、最上の方法は何かを判断
するために、日頃から柔軟な思考と訓練が必要だと改めて痛感した次第です。これから始まる学期においても同様に、常に努力をしつつ、どのような時でも冷静に
行動して、最上の結果が出るようにしたいものです。