英国だより

第七回-ザクセンハウゼン収容所で

 今学期の研修旅行はドイツベルリンへ出かけました。帝京大学のキャンパスがありますので、施設を利用しました。5日間にわたりゆっくりとベルリン市内および郊外を
見学することができました。ポツダムでは4か国首脳会議が行われ、ついに日本へ原爆が降下されることになったことは私たち日本人にとって重要な場所でした。何と
いっても学んでほしかったのはドイツにおける第二次世界大戦の状況とその後でした。
 寒いある日に収容所へ出かけました。ここはユダヤ人を死に追いやる場所でなく、反政府の人々たちに労働をさせる場所として始まります。また、それ以後の収容所
として模範となる場所でもありました。すでに年月が経っているために、ほとんどの建物は残っていません。案内をしてくれたピーター先生が説明したように、なかなか
想像がつきにくいかもしれませんが、「忘れずに学ぶこと」です。狭い場所に自分たちの勝手な規則で縛り、気に入らないとすぐに処刑したり処罰したりする話は現実味
に欠けています。しかし、ふと日常生活を見渡せば実はどこにでも転がっていることです。いじめも同様です。相手の気持ちは完全に無視して、自分たちの快楽に陥った
理論で展開する様は、次元が違うと言い切れるのでしょうか。
 学園に戻り、自分を含めて人間が陥りやすい罠を考えないわけにはいきませんでした。あの悲惨な大戦は異常な人がしたわけでもなく、われわれが集団となって成した
負の遺産でもあります。教師として人間としてしっかりと過去から学び、学校教育に生かしていかなければいけないと改めて思った次第です。
 そのような状況を目の当たりにして学習出来たことは幸運でもあり、ヨーロッパの歴史を身近かに学べる学園の特徴でもあります。