英国だより

第五回 国会中継から

 学園では例年現代社会と英国史の教科を通じて議会のことを学び、実際イギリスの国会に出かけます。イギリスが世界に誇れるものがたくさんありますが、議会政治はそのひとつでもあります。1215年に時の国王ジョンに貴族たちが突き付けた要求書マグナ・カルタはその後話合いで物事を決める議会政治の始まりだと言われています。それから絶対的な王の権力と民衆との戦いは続き、ついに長い歴史を経て現在のような議会政治となって実を結んでいきます。
 話し合いといえども、もちろん簡単なことではありません。話し合いで決着がつかなればどうすればいいのですか?という生徒の質問への答えは難しいものです。世界を見ればよくわかりますが、それでも話し合いを続けるしか最善の解決方法はありません。そこにはまさに人間の知恵が必要です。決してイギリスの政治がうまくいっているとは言い難いかもしれませんが、それでも5年間で6人の首相を輩出する国の日本よりは健全であるような印象を持ってしまいます。さすがにBBCの特派員も皮肉たっぷりに、そして国民に同情的なレポートを行っていました。
 ガイドの方から美しい宮殿の中で上院や下院の説明を聞きながら、生徒たちは何を学び感じ取ったでしょうか。多面的に物事を見、考え実行する国民となって選挙で議員を選ぶ、あるいはいずれ議員になるかもしれない時代を担う彼らたちに大いに期待をしています。