英国だより

第85回目-現地校との交流-

現地校バーナム・グラマー・スクールBurnham Grammar Schoolの9年生(14歳)およそ120人全員を招待して2日間にわたり、日本の文化紹介をします。今年は6月に実施しました。午前中は、習字と日本 語、折り紙と料理、茶道と着付けの3部門に分かれて、デモンストレーション後に体験をし、午後には、学園の生徒たちが、日本のアニメ、名所の紹介や文化な どについて説明をしました。生徒たちは慣れたもので、パソコンを駆使し質疑応答をしながら会場は盛り上がりました。

この学校は11歳から18歳までの公立中等学校secondary schoolですが、入学前に英語と数学の試験があり選抜された生徒たちが通学します。地方自治体が運営する学校で、労働党が政権を取ったときに廃止した 選抜制度をそのままに残しています。学園の学期が終了すると、希望者はホームステイをしながら体験入学をします。数日間ですが、典型的なイギリス人の家庭 と学校生活を味わうことが出来ます。とてもよい経験になり、大いに刺激をもらって帰校してきます。

私立校とも交流しています。近くには有名なイートン・コレッジEton Collegeがあり、ヘンリー6世が1440年に創立した男子全寮制の学校です。日本語を選択するコースがありますので、学園に来て日本を体験したり、 日本語の発表会を見に行ったりして交流をしています。また、先月にはハロウ・スクールHarrow Schoolの生徒たちが来校しました。この学校は自作農のジョン・ライオンJohn Lyonが、エリザベス1世の勅命を受けて1572年に開校した男子全寮制ですが、生徒数がイートン校の半分の700人ほどの学校です。どちらとも13歳 から18歳まで学び、登録後に2年前から面接や簡単な試験があり、13歳のときに7教科の入学試験があります。充実した素晴らしい施設や優秀な先生方、生 徒たちが学んでいます。

私立の学費は、無料の公立と違い寮生であれば年間およそ3万ポンド(500万円)、通学生であればその半分ほどです。当然、保護者が富裕層になりま す。2月24日のタイズ紙によると、学校全体の7%ほどの私立校(グラマー・スクールは5%)ですが、職種により多くが私立校出身者で占められています。 たとえば、医学の分野では61%(グラマー・スクール22%)、法律の分野で71%(18%)。英国映画界で受賞する人々Brit award winnersは67%(13%)もおり、学校教育のあり方が批判されていました。ちょうど映画祭で受賞する日でしたので、俳優のエディ・レッドメイン氏 Eddie Redmayne(イートン校卒)とベネディクト・カンババッチ氏Benedict Cumberbatch(ハロウ校卒)が例に挙げられていました。教育の格差が政府にとっても頭が痛い問題で、常に政策に取り上げられます。授業料の差が その後の就職につながるとなれば、批判は当然と言えるでしょう。

現地校の生徒たちと交流しても気づくことはないかもしれませんが、学園にいるとこのように、英国社会の一面を 垣間見ることが出来ます。観察をしながら批判的思考critical thinkingを養うのには、良い題材となる社会問題です。夏季休暇が始まりましたので、学園では出来ないことに挑戦してほしいものです。私も同様に資 料収集と読書三昧をして過ごしたいと思います。