英国だより

第84回目-時事英語surgery-

中学校から高校になると、英語は格段と難しくなります。それは文章が長くなるだけでなく、分量が多く なり、単語数が増えることによります。確かに大学受験や資格試験で、最後に問題になるのは語彙数によるかもしれません。覚えても使わなければ忘れますの で、実に厄介な問題です。文章の中で覚えるのが効果的であり、単語数が多ければ英語を理解しやすくなります。先日、上智大学の池田真教授が来校をしてお話 しをしていただきましたが、その中でも語彙のことが話題になっていました。また、6月21日の朝日新聞によれば2020年から高校でも語彙数を増やし、 3000語から4000~5000語程度に増えるとありました。

3年生の英語演習に英字新聞を読んでいますが、読めないのは語彙力の不足ばかりではありません。背景的知識があれば、文脈から理解することが出来ます。辞書で意味を調べても、ぴったりとした意味が見つけられないのはこの理由です。

先日、国会議員の方が殺される非常に残念な事件がありました。この方は地方の議員ですが、ロンドンに居住しています。ユーロに残留か離脱かについ て、自分の選挙区で住民と定例の面談を図書館でした後に、事件は起こりました。「コックス氏は選挙区で面談をして射殺された。図書館という誰でも行ける場 所で、選挙で選ばれた代表として面と向かって話が出来るところで。」MP Jo Cox was shot at a constituency surgery. ―outside the library where she held her constituency advice surgery-a place where anyone, no matter who they are, can come and talk face to face with their elected representative―このときの「surgery」という表現に生徒たちは、ピンとこなかったようです。普通は外科医学、手術室、診察室です が、イギリスでは「面会時間」を意味します。特に、その語の前にconstituency(選挙区)がありますので、議員との話し合いの時間を意味しま す。英国の議員たちは戸別訪問が許され、有権者たちとの距離が近いことがあります。

選挙を通して皆が意見を堂々と語っている様子を見るにつけ、学校教育で生徒たちが発言出来るように指導していることがわかります。事実を把握し分析 して、自分の意見を発表することが求められます。これから日本の教育に必要な部分のようです。6月11日の日本経済新聞に英語教育研究者の鳥飼久美子さん が、英語教育に関して「日本の教育は説き伏せる、反論するといったことを学んでいません。英語力が高まっても、こうした姿勢が身についていなければ勝てま せん。英語を流暢に話せるからといって、それはそのまま世界に通用する人材とはならないのです。」と主張していました。生徒たちには英語とともに鍛えてい きたい力です。

さて、離脱が決まり、連日ニュースで今後の行き先についていろいろと報道されています。これから英国にとって、解決していかなければいけない多くの課題があります。今後の成り行きを生徒たちと吟味しながら、意見を交換していきたいと思います。